どう人生を締めくくるか、「終活」という言葉が多くのメディアで取り上げられています。
少子高齢化が進展する日本において、独居高齢者は珍しくない存在であり、中でも、自身の死後を託す人がいない“おひとりさま”や“没イチ”と言われる方の葬送や死後事務処理を誰が担うのかという問題は、今後深刻な社会課題となっていくことが予想されます。
霧島市のひとり暮らし世帯数の推移は?
平成17年(11月7日)時点では、7731世帯。 令和元年(8月末日)時点では、11717世帯。
13年前のおよそ1.5倍になっています。 身寄りのない方が亡くなられた場合、どのようにしていますか?
法的な相続権のある方が見つかっても死後事務を受け入れない場合や、連絡がつかない場合など、現状、霧島市ではどのように対応していますか?
警察や病院や、福祉施設などから連絡があり、親族等の調査を行いながら葬祭業者への遺体の引き取りを依頼しています。
身元引受人が判明しない場合は、墓地・埋葬等に関する法律に基づき、市が葬祭業者に葬祭を依頼し、遺骨については市の無縁墓地へ納骨しています。
公費で処理をしたケースはありますか?
現金等の遺産もない場合は、公費で相殺費用を負担することとなり、平成30年度は2件を公費で火葬などしています。
死後事務委任をご本人が自ら生前にすすめていただくことのメリットについて、どのように認識していますか。
火葬費用等の市の負担が減少すると思われます。
(山口補足)死後からスタートする身元引受人の照会作業や、諸事務手続きも減少します。 戸籍をたどっていく作業に加え、法定相続人に確認を取ったりお願いをしたりという、表にに見えない労務コストもかかっています。
事前の調査では、最長で2年ほどかかった事例もあるとのこと。
<提案> ご本人が「死後に迷惑をかけたくない」と思う気持ちを尊重し、ご自身での終活がしやすいように生前からの情報提供など、サポートをしていくことができれば、結果として職員の負担も減り、葬祭費用などの支出を抑えることにもつながります。
横須賀市などでは、民間葬儀会社と連携した形で、「エンディングプラン・サポート」事業、平成30年5月からは、終活情報登録伝達事業も合わせて実施しています。
このなかで、エンディングプランサポート事業については、特に低所得で「頼める身寄りがない」と感じている市民の「死後に迷惑をかけたくない」という気持ちを尊重した事業です。 死後に起こりがちなトラブルについて知り、安心して過ごせるように、市が協力できる部分があれば、できることからでも取り組んでいっていただきたい。
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